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2021年09月30日
出陳宝物、文書の魅力を解説 正倉院事務所員らが大阪府内で講座
「第73回正倉院展」(10月30日~11月15日、奈良国立博物館)を前に、出展される宝物や古代の文書(もんじょ)群について専門家が解説する「正倉院展講座in大阪」(主催・読売新聞社、協力・正倉院文書研究会)が28日、大阪市北区のギャラリーよみうりで開かれ、約50人が聞き入った。
宮内庁正倉院事務所の飯田剛彦保存課長は、筆についての調査成果を披露。毛と紙を交互に巻き重ねた構造で、腰のあるウサギの毛などが使われており、試作品で検証すると、現代の芯がない筆より細かな字が書きやすいことを紹介した。
また磐下徹・大阪市立大准教授は、皇族や貴族らに税を納める家について記した公文書を取り上げ、現存部分から推測して欠損部分の内容を復元できることや、制度から当時の国家のあり方がうかがえることを説明した。
(2021年9月29日付読売新聞朝刊より掲載)