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2022年05月02日

関連書籍紹介

正倉院宝物をよく知り、正倉院展をさらに楽しむために。お勧めの関連書籍をご紹介します。

『正倉院宝物の構造と技法』西川明彦著(2019年 中央公論美術出版)

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正倉院宝物は第二次世界大戦後間もない昭和23年(1948)から、材質や技法について自然科学的な手法調査を用い、テーマ別の宝物調査が進められてきました。また、昭和45年(1970)ごろからは、X線透過装置や実体顕微鏡といった光学系機器、蛍光X線分析装置などが導入され、正倉院宝物の材質や構造に関する知見が飛躍的に増しています。

著者の西川明彦・宮内庁正倉院事務所長は1961年京都市生まれ。1988年から宮内庁正倉院事務所に勤務し、永年にわたり、肉眼観察にもとづいた調査に加え、光学顕微鏡などを用いての材質や技法の解明、あるいはX線透過装置で構造に関する研究を担当してきました。また、正倉院宝物の修理や模造作成にも取り組んでいます。

本書では、科学分析と詳細な実態調査、さらに文献史学的成果をふまえ、600点を超える豊富なカラー図版を用いて、多角的な側面から、1260年以上にわたり守り伝えられてきた正倉院宝物のルーツに迫ります。

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<目次>
第1章 正倉院宝物の諸相と文化交流
第2章 正倉院宝物の加飾技法
第3章 正倉院宝物にみる古代の意匠転写技法
第4章 正倉院宝物の構造および製作技法
第5章 奈良時代の武器
第6章 唐朝工芸と正倉院宝物
第7章 朝鮮半島と正倉院宝物