10月29日～11月14日に奈良国立博物館（奈良市）で開催される「第74回正倉院展」を前に、出展宝物の見どころなどを紹介する「正倉院展講座in東京」（主催・読売新聞社、協力・奈良国立博物館）が9月25日、読売新聞東京本社（東京都千代田区）で開かれた。

同館の三本周作研究員は、高価な素材や高度な技術で作られた宝物は天皇、皇后、貴人らの暮らしや統治の在り方、対外関係などを伝え、「奈良時代がどういう時代かを具体的に知ることができる貴重な宝物群」と魅力を解説。今回の展示の目玉として、聖武天皇・光明皇后ゆかりの宝物から、黒漆地に金銀飾りを施した鏡「漆背金銀平脱八角鏡（しっぱいきんぎんへいだつのはっかくきょう）」や、有名な「蘭奢待（らんじゃたい）」と並び称される香木「全浅香（ぜんせんこう）」などを紹介した。

奈良まほろばソムリエの会の友松洋之子（よしこ）さんも、聖武天皇ゆかりの寺院や、正倉院展の期間中に開催されるおすすめのイベントなどを取り上げ、約50人の参加者に奈良の魅力を伝えた。

（2022年9月26日付読売新聞朝刊より掲載）