花氈とは文様(もんよう)を表した羊毛フェルト製の敷物のこと。中央アジアの遊牧民(ゆうぼくみん)に由来する技法で、唐代には特に華やかな作品が作られた。本品は白地に藍色の花文様を全体に配した大型の花氈で、角張った葉を持つ濃い色調の花と、丸みのある葉を持つ薄い色調の花の繰り返しがリズミカルである。織文様のように規格された技法ではなし得ない、花氈独特のゆらぎある表現。それが大らかでありつつ可憐な印象を与え、本品の魅力となっている。