Featured Treasures主な出陳宝物

牙笏(げしゃく) (北倉)1枚(象牙製の笏)

前回出陳年 1998年
倉名・番号 北倉10
寸法 長38.9cm 幅(頂)5.2cm/(底)5.5cm 厚(頂・底)1.3cm
解説

笏(しゃく)とは、天皇や役人が朝廷で威儀(いぎ)を正すために手にもつ細長い板のこと。本品は『国家珍宝帳(こっかちんぽうちょう)』に記載された象牙製の笏。同帳によると、「通天牙笏(つうてんげしゃく)」(北倉11)、「大魚骨笏(だいぎょこつのしゃく)」(北倉12)とともに、天武(てんむ)・持統(じとう)系の六代の天皇に継承された「赤漆文欟木御厨子(せきしつぶんかんぼくのおんずし)」(北倉2)に納められていたようで、正倉院に伝わる笏の中でも格別の由緒を誇る。近年の正倉院事務所の調査で、象牙の表面に近い部分を長軸方向に沿って長く切り出した材料を用いていることが明らかになった。