Featured Treasures主な出陳宝物

天平宝物筆(てんぴょうほうもつふで) (中倉)1枝(大仏開眼に用いられた筆)

前回出陳年 2010年 (東京国立博物館)、1999年
倉名・番号 中倉35
寸法 管長56.6cm 管径4.3cm
解説

東大寺大仏の開眼法要(かいげんほうよう)に用いられた特大の筆。天平勝宝4年(752)の開眼法要に加え、筆管に線刻された銘文により、文治元年(1185)に再興された大仏殿での開眼法要でも後白河法皇(ごしらかわほうおう)が用いたことが知られる。筆の軸は斑点模様を人為的に表現した仮斑竹(げはんちく)であり、着色の濃淡や配置も見所である。筆の穂先は毛を紙巻で仕立てる方法で形作られ、現在、毛はほとんど脱落するが墨の痕も認められる。東大寺大仏開眼という古代仏教を象徴するセレモニーをいまに伝える貴重な筆である。