Featured Treasures主な出陳宝物

桑木阮咸(くわのきのげんかん) (南倉) 1面(丸い胴<どう>の絃楽器)

前回出陳年 2014年
倉名・番号 南倉125
寸法 長 102.0cm 胴径 38.2cm
解説

円形の胴を持つ四絃の楽器。名称は「竹林七賢(ちくりんのしちけん)」の一人で琵琶の名手とされた阮咸(げんかん)に由来すると言われる。中国で成立したと考えられるが、古代の遺例は本品の他に「螺鈿紫檀阮咸(らでんしたんのげんかん)」(北倉30)のみである。主要部分を蘇芳(すおう)で染めたクワ材で作り、細部は木画(もくが)や玳瑁(たいまい)などで装飾する。胴部中央の皮製の捍撥(かんばち)(撥受け)には、背景として八弁の大きな赤い花を、中央部に松や竹の下で高士(こうし)が囲碁を楽しむ情景を描く。胴の背面に「東大寺」の刻銘があり、東大寺の法要で用いたことがわかる。